指示が抜けてしまうお子さんへ
「あれ、何しにきたんだっけ?」
『脳のメモ帳』に合わせた伝え方
毎日、育児に家事にお仕事に、本当にお疲れ様です。
お子さんの様子を見ていて、こんな風に感じることはありませんか?
📋 日常の「あるある」チェック
いくつ当てはまっても大丈夫です。
これらは「わざと聞いていない」のではなく、情報を一時的に覚えておく「脳のメモ帳」のサイズが、少しだけ小ぶりなのが原因かもしれません。一緒に優しくひも解いていきましょう。
🧠 ワーキングメモリとは?
ワーキングメモリ(作業記憶)とは、耳や目から入ってきた情報を「一時的に置いておきながら、同時に処理する」能力のことです。よく「頭の中の作業机」に例えられます。
机からポロリと落ちてしまう
この「頭の机」が少し小さいお子さんの場合、「手洗い、うがい、おやつ」と複数の指示(ブロック)を一度に渡されると、机の上に乗りきりません。
新しい指示が来たり、他のおもちゃが目に入ったりすると、最初に言われた指示が机から押し出されて忘れてしまうのです。
💡 毎日のサポート術
お子さんの「机のサイズ」が分かれば、それに合わせて渡し方を工夫するだけで、毎日はグッと楽になります。
一口サイズに分ける
「手洗い、うがい、おやつ」と一度に言わず、「手を洗っておいで」と1つだけ伝えます。
戻ってきたら「できたね!次はうがいだよ」と渡し、机に1つずつ情報を乗せるようにします。
見てわかるようにする
耳からの言葉はすぐに消えてしまいます。
朝の準備などはイラスト付きのボードを作り、「常にそこにある外部のメモ帳」として目で見て確認できるようにしましょう。
目を合わせてから伝える
遠くから背中越しに声をかけても、なかなか耳に届きません。
肩をポンと優しく叩き、目が合ってから「宿題を机に出してね」と短く具体的に伝えます。
📊 WISC(ウィスク)検査について
お子さんの得意・不得意(認知特性)を客観的に知る手がかりとして、WISCなどの知能検査が活用されることがあります。
単なるIQだけでなく、能力をいくつかの部屋に分けて測定し、「その子の得意な学び方」と「つまずきやすい部分」のバランスをグラフで把握できます。
💡 どこで相談できるの?
- ・学校や地域の教育相談センター(無料が多い)
- ・小児科・児童精神科クリニック(保険診療等)
- ・民間の心理カウンセリングルーム(自費)
※まずは困りごとを相談するところから始まります。
認知特性の凸凹イメージ(例)
言葉の理解は高いが、記憶が苦手な場合
「賢いのにわざとやらない」と誤解されやすいタイプです。
🏫 学校でのサポート
家庭だけでなく、学校とも連携して環境を整えることが大切です。
合理的配慮の申請
口頭の指示だけでなく黒板に書いてもらう、連絡帳を先生に書いてもらうなど、困り感を取り除く配慮を学校に相談できます。
通級指導教室
通常の学級に在籍しながら、週に数時間だけ「自分に合った学習方法」や「生活の工夫」を専門の先生から学ぶ制度です。
親御さんへ
「なんで何回言ってもできないの!」と怒ってしまった後、子どもの寝顔を見て落ち込む夜があるかもしれません。
でも、お子さんを理解しようとこの記事を読んでくださったご自身のことを、まずはたくさん褒めてあげてください。
「伝え方」を少し変えるだけで、お子さんが本来持っている力は必ず輝き始めます。一人で抱え込まず、専門機関も頼りながら、少しずつ試していきましょう。