1回で伝わる!
子どもの脳のキャパシティに合わせた
『引き算の声かけマニュアル』
「何度言ったらわかるの!」「さっき言ったでしょ!」
毎日、本当にお疲れ様です。それはママやパパの伝え方が悪いわけでも、子どもがわざと無視しているわけでもありません。
「ワーキングメモリ」って?
耳から聞いた情報を、一時的に頭の「作業机」に置いておく能力のことです。この机のサイズは、子どもによって大きく異なります。
不注意の傾向があるお子さんは、この机が少し小さめなことが多いのです。「宿題して、お風呂入って、パジャマ出して」と3つの荷物を一気に渡されると、机からポロポロとこぼれ落ちてしまい、「あれ?何するんだっけ?」と混乱してしまいます。
※イメージ図です
アプローチ 1 : 「3つの指示」を「1つずつ」にバラす技
脳の「作業机」が小さめなら、荷物を1つずつ渡せばいいのです。
いっぺんに伝えたくなる気持ちをグッとこらえて、「1つクリアしたら、次を伝える」ステップ方式に切り替えてみましょう。お子さんが「できた!」という達成感を感じやすくなります。
👇 体験してみましょう:魔法のステップボード
ボタンを押して、1つずつ指示を出していく感覚を掴んでみてください。
素晴らしいです!
「できた!」という小さな成功体験が、次の行動へのモチベーション(ABAにおける正の強化)になります。
もう一度試す場合は
アプローチ 2 : 注意を引きつける「体感覚」のコミュニケーション
遠くから「〇〇しなさーい!」と声をかけても、遊びに夢中な子どもの耳には届いていません。
理学療法(PT)的な視点から見ると、脳の「覚醒水準(注意力)」をこちらに向けるには、聴覚だけでなく触覚や固有受容覚(体の感覚)を使うのが有効です。
ステップ 1: 触れる (Touch)
➕名前を呼ぶ前に、肩や背中に「ポンポン」と優しく触れましょう。
ステップ 2: 目を合わせる (Eye Contact)
➕子どもの視界に入り、目が合ってから話し始めます。しゃがんで同じ目線になるのがベストです。
合言葉は 「触れて、目が合ってから、短く伝える」 です。
アプローチ 3 : おうちの「ルール」シンプル化シート
「走らない!」「散らかさない!」「早くしなさい!」… 壁にたくさんルールを貼っても、子どもは覚えきれません。
ABA(応用行動分析)の視点では、「禁止事項(〜しない)」を減らし、「期待する行動(〜する)」を1〜2個に絞って明確に提示する(プロンプト)ことが、行動改善の近道です。
👇 ワーク:我が家の「これだけは!」を選ぶ
左のリストから、今週お子さんに一番頑張ってほしい「ポジティブなルール」を2つだけ選んで、右のボードに追加してください。
ルールの候補
候補をクリックして
ここに追加します
最後に:完璧じゃなくて大丈夫です
今日ご紹介した方法は、専門的な知見に基づいた「引き出し」の一部です。すべてを毎日完璧にこなす必要はありません。
「今日はちょっと疲れてるから、ステップ1だけやってみよう」「明日は肩をポンポンしてみよう」。
そんな風に、親御さんご自身のペースで、お子さんに合いそうなものをつまみ食いしてみてください。
お子さんの脳の成長はゆっくりですが、確実に進んでいます。日々の小さな工夫の積み重ねが、やがて大きな自信へと繋がっていきます。応援しています!