身体症状に隠された
「言葉にならない叫び」を聴く
不登校や行き渋りは「甘え」や「根性不足」ではありません。
子どもたちの身体が発するSOS—身体化(Somatization)—のメカニズムを、
小児科学と臨床心理学の両面から紐解きます。
「学校に行けない」のではなく「体が動かない」
多くのケースで見られる起立性調節障害(OD: Orthostatic Dysregulation)。 これは本人の意思の問題ではなく、自律神経系の機能的な不調です。
ODの生理学的現実
健康な子どもは朝、交感神経が活性化し血圧が上がりますが、ODの子どもはこのスイッチが入らず、脳血流が維持できません。
結果: 午前中は体が鉛のように重く、思考も停止。夕方から夜にかけてようやく交感神経が働き出し、元気になります(これが「夜更かし」と誤解される原因です)。
支援のポイント
- ✔午後からの活動を認める・評価する
- ✔「怠け」ではなく「病気」としての受容
- ✔投薬・水分摂取・昇圧処置の励行
活動エネルギーの日内変動比較
※典型的なパターンを示すイメージ図です
身体化(Somatization)の解読
子ども、特に思春期前の子どもは、自分の感情(不安、怒り、悲しみ)を言葉にする能力が未発達です。 これをアレキシサイミア(失感情症)的傾向と呼びます。 行き場を失った感情は、自律神経系や内分泌系を介して「身体症状」として出力されます。
身体からのSOS (クリックして解析)
左のリストから症状を選択してください
その症状の裏にある心理的背景と対応のヒントを表示します。
言葉にならない叫び (深層心理)
“…”
👀 観察のポイント
🤝 支援者の対応 (Acceptance)
医療・心理・生活の連携支援モデル
エネルギーの枯渇した子どもに必要なのは、段階的な回復プログラムです。
Step 1: 完全休息期
まずは「充電」に専念する
登校刺激を一切止め、罪悪感を取り除く時期です。昼夜逆転も一時的に容認し、家が「安全基地」であることを再確認させます。医療機関でのOD検査や診断もこの時期に行い、親の不安を解消します。
Step 2: 生活リズム調整期
少しずつ活動量を増やす
体調の良い午後から、好きなこと(ゲーム、読書、料理)を通じて「楽しむエネルギー」を蓄えます。親子で会話が増え、笑顔が見られるようになるのが目安です。
Step 3: スモールステップ試行期
社会との接点を点検する
放課後登校、別室登校、適応指導教室、または習い事など、学校以外の居場所を試します。「行けた」という事実よりも「行ってどう感じたか」の傾聴が重要です。
Step 4: 社会的自立期
自分らしいペースの確立
毎日通学することだけがゴールではありません。通信制高校やフリースクールも含め、本人が納得して選んだ進路で、自己肯定感を持ちながら生活できる状態を目指します。
支援者にできること:Active Listening
「どうして行けないの?」と問うのではなく、「今は休むときなんだね」と受容すること。
その安心感が、子どもの凍りついたエネルギーを再び溶かします。